ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

M-GENのディザリング機能の使い方!

ディザリング機能とは、よりノイズが少なく滑らかなディープスカイ天体画像が得られる新しい撮影手法です。これはM-GENカメラのCCDセンサーを構成する小さなピクセル(約4μm)単位で写野の構図をずらす画期的な機能です。(詳細はこちらへ

 

①「M-GEN」とデジカメそして赤道儀を接続します。

写真はディザリング撮影に必要な別売「カメラコントロールケーブル」とデジカメとの接続画像

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②M-GENでいつも通りにオートガイドの設定を行います。

・ガイド星にピントを合わせる ・キャリブレーション実施 ・オートガイドスタート

 

③ディザリング機能をONにする。

M-GENのメインメニュー内の「Random displace」でEnableにチェックを入れます。

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④「Exposure」メニューにて、以下の項目を設定します。

・撮影回数

・インターバル秒数(=>このインターバルの間に写野の構図をずらします)

・露出時間

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⑤ディザリング撮影をスタート

上段はディザリング機能をONにして撮影した画像20枚を星の位置でコンポジットした写真

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ご覧のようにホットピクセルやノイズが平均化されて目立たなくなっています!

M-GENの操作方法!

ここではM-GENの基本的な操作方法をご紹介します。

①ガイド鏡にM-GENを取付けて、M-GENの電源スイッチを入れます。

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②「ライブビュー」機能を使ってガイド星を選択してピントを合わせる。

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高感度なM-GENは、ガイド星を探す必要はまずありません。基本的には、ライブスクリーン内に映し出されている星をガイド星としてセレクト(選ぶ)するだけです。

ライブスクリーンを見ながら、そのガイド星におよそでいいのでピントを合わせます。(通常は露出時間:500~900ms以下なので動画として見えます)

ピントの合わせ方には2つのモードが用意されています。

1.ライブスクリーンを見ながら、星像が最も小さくなるようにピント合わせをします。

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2.星が”点”ではなく、上から下までのつららのような”棒”として表示されるモードで、この”棒”が細長くなるようにピントの微調整を行います。これはとても便利なモードです。

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③「キャリブレーション」を30秒ほど実行させる。

これは正確なオートガイドをするために、赤道儀がどのような動きをするかをM-GENに教えるステップです。このキャリブレーション中、M-GENは赤道儀に信号を送り、どのようにガイド星が動くかを分析します。

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④オートガイドスタートです!

これがM-GENのマニュアルだ!

M-GENには以下の2つのマニュアルが付属しています。もちろん日本語です。
 ・クイックスタートマニュアル
 ・実践マニュアル

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これらのマニュアルの特長は、
1.本体に表示される画面写真や解説図が豊富で、オートガイダーの扱いが初めての方でもイメージしやすく分かりやすい。
2.画面遷移に沿って簡単に把握できる。
3.実質、4ページだけ読めばオートガイドをスタートできる。

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ここではクイックスタートマニュアルの目次をご紹介します。このうち、4~6のステップを読めばM-GENの基本的なオートガイド機能は使えるようになります。ゆっくり読んでも時間にして15分くらいでしょうか!

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 1.目次
 2.構成パーツ
 3.組み立てとスタート
 4.ライブビューを使ったピント合わせ
 5.キャリブレーション
 6.オートガイドのスタート
 7.ディザリング
 8.極軸アライメント
 9.電源の切り方、入れ方

M-GENは操作に慣れると、電源投入後3分もあればオートガイドが可能になります。これほどまでにお手軽なM-GENは、撮影現場において撮影者にとってストレスフリーと言えるでしょう!

M-GENを使ってみよう! (2)

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カタログなどに記載されている「M-GEN」の特長を列挙してみると。。。
・パソコン不要のスタンドアローンタイプ
カメラコントロール機能(インターバル撮影プログラム可能)
・超高感度で11等クラスまでガイド可能(口径50mm)
・低消費電力(100mA/12V)
・0.02pixel単位まで解析する優れたアルゴリズム
などなどあります。

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筆者が実際に使ってみて、これが「M-GEN」の最大のメリットではないかと思う大きな特長があります。
それは、パソコン用の電源を確保しなくてもいいことです。パソコン不要のスタンドアローンタイプなので、当たり前と言えば当たり前なのですが、これが郊外へ移動しての天体撮影現場では大きなポイントになります。軽快装備でありがたいなぁと感じています。

これは電源確保に頭を痛めている多くの星ミストには嬉しい特長ではないでしょうか!

M-GENを使ってみよう! (1)

星ブログ始めました。これからはデジタル機材を中心に星空関連情報などのお話しを展開していきますので、どうぞよろしくお願いします。

まずはスタンドアローン(PC不要)タイプのオートガイダーである「M-GEN」を筆者の経験に基づいて分かりやすく記述していきます。オートガイダーとは天体の日周運動に合わせてデジタル的に補正信号を発して、天体写真の星流れの現象を抑える装置のことです。

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長らく試してみたかった実験をやってみました。この「M-GEN」がどこまでの光害地で使えるのか、東京都千代田区にあるKYOEI東京店前の歩道でオートガイドのテストをしてみました。ご覧の通り、高層ビルやコンビニの明かりが溢れた場所です。

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テストをした日時には、このビルの上の夜空にはくちょう座が横たわり、その嘴のアルビレオ付近の7~9等星をガイド星としてテストしてみました。今回は焦点距離75mmのオートガイド鏡がセットになった、「KYOEIオリジナル オートガイダーアルカセット」を使用しました。赤道儀iOptron製です。

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その時の「M-GEN」のディスプレイ表示の様子を撮影したのが次のムービーです。

テストの結果、このような光害地でも「M-GEN」は正常に動作してくれました。もちろん雲が掛かっていたり大気の流れが大きく乱れていてはいけませんが、大気が澄んでさえいれば使えることが分かりました。

「M-GEN」を使ってお手軽に天体写真を撮影してみませんか!