ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

QHYCCD-撮影リポート

QHYCCD社製のQHY5Ⅲ290Cを先日導入されてテスト撮影された、ユニテック株式会社K氏のブログをご紹介します。手探り状態での撮影とはいえ、PCカメラの潜在能力の高さに満足されている様子が分かります!

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QHY5Ⅲ290C:イメージセンサーに裏面照射タイプのSony IMX290 Exmor Rセンサー(2メガピクセル)を採用。高感度と、極めて低い読み出しノイズを誇る、惑星撮像に威力を発揮する新しいCMOSカメラです。特筆すべきはピクセルサイズが2.9×2.9ミクロンと小さく、解像度の高い画像を得ることができます。

 

QHYCCD-撮影モデル

パソコン+PCカメラ=ディープスカイ

パソコンを活用して、渦を巻いた銀河や星雲や星団などの天体写真をお気軽に撮影して、インスタグラムやフェースブックなどに掲載するような遊びにトライしてみたいという方にお勧めなのが、QHYCCD社のPCカメラ(撮影モデル)ではないでしょうか!

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特長

お薦めのポイントを以下に列挙すると。。。

  1. 基本的には動画で天体を撮影→写りの良いシーン部分を使用
  2. 安価なものは3万円台からラインナップ
  3. PCカメラのハード製作とコントロールソフト製作は別会社→ 低価格化
  4. 小型軽量コンパクト省電力→PCのUSBから電源供給

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CMOSチップに超高感度の裏面照射タイプや低ノイズタイプが採用されたこと、そしてUSB3.0の採用によりデータ転送速度が極めて速くなり、淡くて暗い天体を容量が大きな動画でも撮影することが可能になりました。つまり動画で数1000フレームを撮影したデータの中から写りの良いシーンを切り出して、それをスタック編集ソフトで重ね合わせて静止画を作成します。パソコンとCMOSチップの技術革新により、10年ほど前では考えられなかった新しい天体の撮像方法なのです。

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フルサイズチップ登場

銀河や星雲や星団などの天体写真の世界では、広い写野のCMOSチップが大きなアドバンテージになります。5万円前後の普及タイプは1/1.8インチや1/1.2インチ、10万円前後の中級タイプはAPS-Cサイズ、最近では画素数3600万画素のフルサイズ(上記写真)のチップまで用意されています。

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コントロールソフト

これらのPCカメラをコントロールして動画や静止画を撮影するソフトウェアは、メーカーからはフリーウェアのソフトを使用することが推奨されています。一例として上記のスクリーンショット”SharpCap”の初期画面を掲載しておきます。このソフトウェアは使いやすく、PCカメラのハードウェアの進化にも柔軟に対応進化しています。筆者もお勧めのPCカメラコントロールソフトウェアです。

遊び方の提案

パソコンでワードやエクセルを使ったことがある人なら、これらのPCカメラはすぐに使いこなせるようになると思います。パソコンから天体望遠鏡やPCカメラをコントロールして、新しいスタイルで星空ライフを楽しんでみませんか!

QHYCCD-オートガイダーモデル

QHY5LⅡ

オートガイダー向けPCカメラに「QHY5LⅡ」があります。感度が高くてピクセルサイズも小さいのでガイド性能が高く、また31.7mm径の接眼スリーブに差し込むだけの簡単接続なのも重宝します。それ故に天体写真を撮影される方にとても人気があり、また実績もあります。

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このQHY5LⅡは、かつてのオートガイド撮影とは雲泥の差で簡単便利になりました。筆者が使ってみて一番のお薦めポイントを挙げるとすると、高感度高精度化によりガイド鏡が極めて小さくて済むようになったことに尽きます。

  • ガイド鏡が口径30mm焦点距離130mm(下写真参照)もあれば8~9等星をガイド星として使える。
  • 高感度なのでガイド鏡の写野の中にガイド星を探して入れる必要がない。
  • ガイド鏡が超軽量コンパクトなので、赤道儀に負担が掛からない。(望遠鏡の「ファインダーブラケットに留められるくらいのサイズ)

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PHD2ガイディング

上写真がオートガイディング制御ソフトの「PHD2ガイディング」のメイン画面です。ここではガイド星をしっかり捉えているか、ガイド星がどれくらい収束してガイドできているか、赤経赤緯のモーターにどれくらい信号が送られているかなどが一目で分かるようになっています。操作は簡単なので2~3回も使えばどなたでも使いこなせるようになると思います。

 

マニュアル

安心してお使いいただけるように、機器との接続方法やPHD2ガイディングソフトの基本的な操作方法をご説明した「紙のマニュアル」とドライバーソフトやガイディングソフトなどを収録した「CD-ROM」を当社オリジナルでお付けしています。

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発想の転換

かつては綺麗な天体写真を撮りたくて、長時間露出を掛けても星が点像になるように様々な苦労をしてオートガイダーシステムを導入していました(コスト的にもかなり負担増)。しかしながらこの簡単便利なQHY5LⅡは、天体撮影システムとして小さな小さなコストで夢のような天体写真を提供してくれるようになります。つまりQHY5LⅡオードガイダーを導入すると天体写真が撮りたくなるのです。

お気軽お手軽にオートガイド撮影にチャレンジしてみませんか!

 

QHYCCD-ショールーム

最近、協栄産業1階のショールームにはPCカメラをご検討されている方のご来店が増えてきました。ありがたいことです。感謝です!

日本ではなかなか実機を見られるチャンスが少ないのも確かなので、東京への出張時や秋葉原へのお買い物がてらに立ち寄られるみたいです。

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オートガイダー機、PoleMaster、天体撮像機など代表的な機種は揃えてありますので、自由に手に取って体感することが出来ます。重さや質感やデザイン性に関しては百聞は一見に如かずではないでしょうか!

QHYCCD-PoleMaster

PoleMaster

赤道儀の極軸の精度をはるかにアップするためにPoleMasterはとても役に立ちます。Pole=天の北極を意味し、Master=達人、名人、極めるを意味する単語ですので、なかなか旨い製品名を付けたなと感心します。

 

お勧めの理由
最大のポイントは、パソコンの画面を見ながら直感的に、赤道儀の極軸を天の北極に正確にしかも迅速に合わせることができることに尽きます。しかも操作が簡単なので、2~3回ほど使えば、今までの苦労は何だったんだろうと思うくらいに、どなたでも5分もあれば正確に極軸を追い込むことが出来ると思います。

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でも実はその他にもお勧めポイントがあります。それは老眼対策(40歳代から始まってしまいますよね)です。特に眼鏡をかけた方には超オススメです。極軸望遠鏡を覗き込む際に、腰をかがめて眼鏡のレンズがカチカチ接眼部にあたりながら、「あ~北極星が見えない。腰が痛い。」といった経験はありませんか? PoleMasterはパソコンの画面を見ながら極軸を追い込むので、目や腰にストレスフリーなのです。 これは筆者も感じている本当の意味でのPoleMaster導入のメリットではないでしょうか(笑)

 

接続方法

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→ つまり赤道儀の極軸の回転軸と平行してPoleMasterを取り付けられればどこでもOKです。ただし、ぐらつかないようにかなりしっかりと固定する必要があります。
→ ということは、極軸望遠鏡がもともと取り付けられない赤道儀であってもPoleMasterを使うことができるケースが多分にあります。

 

操作マニュアル
協栄産業は操作マニュアルに2つのマニュアルを用意しています。それは“紙マニュアル”と“動画マニュアル”です。とくに動画マニュアルをご覧いただければ、どなたでもすぐに使えるように編集しています。ここでは少しだけ動画マニュアルをお見せしちゃいます(35秒)。

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操作方法

  1. パソコン画面に映し出された動画の星空映像を見ながら、北極星を捕らえます。
  2. スケールパターンを表示して、北極星の周囲の星々と位置合わせをします。(天の北極位置確定)
  3. 赤道儀を回転させながら赤経の回転軸(極軸)の位置を検出します。
  4. 天の北極と極軸が合うように調整します。

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PoleMasterを使うと快適な望遠鏡ライフを享受することが出来るようになります。赤道儀は組み上げても、極軸を合わせるのが面倒くさくってという方はたくさんいらっしゃると思います。そういう方にまさにうってつけなのがこのPoleMasterなのです。
さあ、簡単に本来の赤道儀の設置をやってみませんか。。。きっと天体写真が撮りたくなりますよ!

QHYCCD-概要

製品写真、箱写真

ご覧の通り、製品は質感が高くてお洒落でカラフルなカラーリングです。デザインセンスも良くて手にした時の満足度もイケてると思います。

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主力製品は31.7mm径の接眼スリーブに差し込んで使う形状なので、特別なアダプターなしでそのまま望遠鏡に接続できます。PCカメラ本体をはじめ接続ケーブルやオートガイドケーブルなど必要最小限なパーツ類は、缶またはプラスチックケースに収納されています。

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ラインナップ紹介

  1. PoleMaster赤道儀の極軸を正確にそして簡単迅速に合わせるためのPCカメラ
  2. オートガイダーモデル:もはや天体写真撮影の必需品とも言えるPCカメラ
  3. 撮影モデル:惑星や星雲星団などのディープスカイを高解像度で撮影するPCカメラ

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店内ウィンドウ展示

KYOEIではみなさまに手に取って見ていただけるようにショールームのウィンドウケース内にQHYCCD製のPCカメラをたくさん展示しています。お近くにお越しの際は是非ともお立ち寄りください。お待ちしています。

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チェック体制

当たり前のことですが、KYOEIでは全品動作チェックを実施しています。外観検査、同梱物確認、ブロアー処理、通電動作テストなど。。  購入したその日から安心してお使いいただけます。

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QHYCCD-イントロダクション

QHYCCD

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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したような惑星写真や淡くて暗い星雲や星団の写真を小型望遠鏡システムでも撮影できるカメラとして、再びPCカメラがブームになっています。

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1か月をかけて、人気のPCカメラ「QHYCCD」について、パソコンユーザーや天文初心者を対象に分かりやすく紹介していきます。

< QHYCCDのコンテンツメニュー(予定)>

  1. イントロダクション、概要
  2. 使い方-PoleMaster
  3. 使い方-オートガイドモデル(QHY5LⅡ)
  4. 使い方-撮影モデル(QHYⅢシリーズ、冷却タイプ)

 

CCDカメラ今昔物語
かつては冷却CCDカメラ、いまはPCカメラと呼ばれている天体撮影に特化されたカメラは、この20年余りで大きく変化を遂げてきました。ある意味、革命が起きたと言ってもいいのではないでしょうか。それはカメラの心臓部である「CCD/CMOSチップ」が飛躍的な進化をしてきたからです。
ここではまず、それぞれの時代の代表的な機種でスペックを比べてみましょう。

  画素数 ピクセルサイズ データ転送方式

データ転送速度

価格
約20年前 160万画素 9μm×9μm 双方向パラレル 最大4Mbps 100万円
現在 210万画素 2.9μm×2.9μm USB3.0 最大5000Mbps

5万円

*現在はほとんどの機種がオートガイド機能も標準装備 

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何故いまPCカメラなのか?
・お手軽さ(小型、軽量、省電力)
・お気軽さ(価格:例えるとスマホと同じで2~3年で買い替える感覚)
・高性能化(小さい画素で高解像度、低ノイズ、超高速転送、超高感度(裏面照射))
・汎用性(ハードウェアとソフトウェアを別会社で製作)

→ つまり20年前と比較して現在の機種は、“性能は超高性能”、“価格は1/20”

 

皆さまの中には、PCカメラっていまいちよく分からない、なんとなく取っ付きにくいと感じていらっしゃる方もおられると思います。その場合、PCカメラはパソコンの外部周辺機器であると捉えていただければ理解しやすくなるのではないでしょうか!つまりプリンターや外部ハードディスクと同じ位置づけです。
筆者の経験からすると、パソコンを使っている人はPCカメラも簡単に使いこなせると思います。

さあ、PCカメラで高解像度なデジタル天体撮影にトライしてみませんか!