ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

ZWO製CMOSカメラがたくさん入荷してきました!

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最近とても人気のある新機種CMOSカメラのASI294MC-Pro(冷却モデル)やASI294MC(非冷却モデル)、そして定番機種であるASI224MCASI290MCなどの在庫補充分が入荷してきました。さっそくPCに接続しての出荷前テストとブロアリングを実施しました。

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この冬から春に向けての散光星雲や系外銀河の撮影に向いているASI294シリーズ。およびこの夏の一大イベントである火星の大接近にお薦めのASI224MCやASI290MCなどなどが揃って、いまなら即納です!

オートガイダー入荷しました!

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いま大人気のオートガイダーQHYCCD社QHY5LⅡMがたくさん入荷してきました。

少し前まではオートガイドはちょっと扱いが大変そうで、うまく動作するのかなぁといった感がありました。でもこのオートガイダーCMOSカメラの登場で、天体写真のオートガイド撮影はとても簡単になり、もはやポピュラーと言っても過言ではないでしょうか!

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なんと言っても小型軽量省電力タイプであり、CMOSチップを構成するピクセルサイズが3.75μm×3.75μmと小さいため、驚くほどのガイド精度を発揮してくれます。つまりそれは焦点距離の短いガイド鏡筒で済むことを意味しているのでQHY5L-ⅡM+ミニ・ガイドスコープセットなどを使うことで天体撮像望遠鏡システムがコンパクトになります。

電視三昧…ZWO社ASI294MC!

昨晩(12月23日)は楽しかったです。夕方から外に出ていたのですが、19時ころからどんどん雲が多くなってきたので諦めていたのですが、22時過ぎにまた外に出てみると、なんと雲がほとんどなくなり晴れ渡っています。やっと新カメラでテストが思う存分できそうです。星はそれほど多くは見えないので透明度は大したことないですが、赤道儀をセットして準備を始めました。

場所とセットアップは先日と同様、自宅の庭で新CMOSカメラASI294MCをつけたFS-60QAdvanced VXに載せています。口径は60mm、焦点距離は600mmのF10になります。 

まず試したのは先日の最後に雲がかかってしまったM42、オリオン大星雲です。4秒露光で、16回スタックです。淡いモクモクまで見え始めていて、もう前回よりも圧倒的にすごいです。これでわずか総露光1分ちょいです。ASI294MCのポテンシャルがわかる一枚です。恒星の飛び具合(ASI224MCに比較して)もかなり改善されているのがわかります。

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次に、バラ星雲です。以前のASI224MCの結果と比べると飽和は抑えられていて、色も自然ですが、かなり暗くなっています。これはSharpCapの新機能のトーンカーブ調整であわせているためで、画面のコントラストなどの調整がなくなっているからです。明るさを出したい時もあるので、トーンカーブのみでなく画面調整の項目も残しておいて欲しかったです。

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続いて馬頭星雲と燃える木です。これも以前と比べると明るさが足りないです。明るさが足りない理由の一つがやはりノイジーということもありますが、今回はスタックを重ねることができなかったことも原因の一つです。冬場で寒いので、StickPCに繋げてリモートで家の中から接続してます。接続自身は多少の画質劣化はあってもそれほど問題はないのですが、それよりもStickPCのUSBの転送速度のせいでしょうか、フレームレートが高すぎて取り込みを落としている可能性があるとの警告がしょっちゅう出ています。実際、結構な率で取りこぼしや、アラインメント失敗が起きています。これは実際に外でまともなPCに接続して直接見ていた時には気づかなかったことなので、やはり電視にはSrtickPCは少し非力なのかもしれません。

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(下写真の左上画像)オリオン座星雲内で、M78です。実は自分で見るのは初めてです。別れている様子はなんとかわかりますが、細かい構造はさすがに厳しいです。

(下写真の右上画像)M45、すばるは結構進展がありました。自宅で星間分子雲がこれだけ見えたのは初めてです。

(下写真の左下画像)クラゲ星雲です。さすがに淡い天体は厳しいです。

(下写真の右下画像)ペルセウス座の二重星団です。星団は比較的電視に向いているかもしれません。もう少し露光時間を伸ばすなど、まだ工夫の余地がありそうです。

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(下写真の左上画像)続いてモンキー星雲。これもバラ星雲やクラゲ星雲と同じくやはり暗くて色が薄いです。結構露光時間を取ってもこれなのでリアルタイム性という観点からいくと厳しいかもしれません。口径の大きい鏡筒を試してみたいです。

(下写真の右上画像)M1、カニ星雲のリベンジですが、前回とあまり変わりありません。今回も結構拡大しています。やはりこの口径の鏡筒ではこれくらいが限界か。

(下写真の左下画像)午前3時過ぎ、夜も更けてきた最後の方はもう春の星座になってきます。系外銀河です。「マルカリアンの鎖」と呼ばれるM84、M86、M87周りです。NGC4402, 4388, 4413, 4425, 4435, 4438, 4461なども見えています。このころになるとまた透明度が悪くなってきて、星が見えにくくなっていました。それでもこれくらいは見えるので結構驚きました。

(下写真の右下画像)富山は海に面している北のほうが街なので、北の空は明るくてこれまでほとんど見たことがなかったのですが、夜中で街灯りも多少はマシかと思い、少し見てみました。下はM106、りょうけん座の渦巻銀河です。腕の様子も多少見えています。他にもNGC4217やNGC4220も写っています。色がつかないので電子のメリットは半減しますが、それでも光害の中、系外銀河も意外に視えるようです。

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(下写真の左上画像)午前3時半過ぎ、風が強くなってきました。フクロウ星雲を狙って見ましたが、光害と風でかろうじて穴二つが見えているくらいでしょうか。風で赤道儀が揺れているというよりは、繋がっているケーブルの揺れのようです。

(下写真の右上画像)最後の最後で真北のM81を見てみましたが、さすがにこの方向は厳しいみたいです。空も透明度が相当悪くなっていて、外に出るとほとんど星も見えない状況でした。

(下写真の左下画像)少し時間を戻して、同じ日の夕方過ぎにオリオンが登り始める18時半ころにSIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmにしてASI294MCに取り付けて見てみました。焦点距離が短いので星の数は大したことないですが、かなり広い範囲を見渡せます。ヒアデス星団、すばるがはっきり見えています。雲があるのと、透明度もよくなかったので目ではすばるがやっとぼやーっと見える程度でしたが、PCの画像を通すとはるかに星の数が多くなります。WideBino28で見た時と同等か、それ以上でしょうか。複数の星座が一度に見えるので、星座をみんなでトレースしながら確認するのとかに使えるかもしれません。

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今回のまとめ
やはり全般に暗いというのが挙げられると思います。特に淡い天体は厳しいです。この面積のセンサーを有効活用するためには、できるだけF値をキープしたまま鏡筒の口径を大きくする必要がありそうです。
とにかく昨晩は久しぶりに晴れた空を満喫してかなり満足でした。後日、fitsで保存した画像を加工したものも比較してみます。そこそこ見える画像になるのか、それとも全くダメなのか。もし撮影の道がひらけそうなら、次はノイズを最適化して、ガイドで長時間露光でしょうか。

(このコンテンツは、ほしぞloveログのSamさんに許可を得てアップしています)

曇りの中でのファーストライト…ASI294MCで電視観望!

もう、ムハッという感じです。ASI294MCすごすぎです。電視の画面の中で神々しいくらいの星がちりばめられています。

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オリオン座の三つ星付近です。画面は何の加工もしていません。 露光時間800ms、ゲイン450で、スタックも何もしていません。 iPhoneでPCの画面をそのままとっただけです

今日もずっと雪で天気が悪かったのですが、夜に外に出て見ると雲が少し切れているところがあったので、駄目もとと思いながらASI294MCを出しました。

カメラ側はZWO製のCanonアダプターを付けて、レンズはNIKKOR-S 50mm F1.4のオールドレンズにCanonアダプターを付けてです。二つをくっつけて、簡単に三脚の自由雲台に乗せてのマニュアル導入です。中くらいの星座がちょうど入るくらいの画角なので、かなり広角で、手で合わせるので十分です。

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雲の切れ間といっても、けっこう霞んでいるので、目ではほとんど星なんて見えないです。たまに明るいプロキオンが見えるくらいで、リゲルもベテルギウスもほとんど見えません。とにかく動画を見てください。

ものすごい高感度のためにまるで昼間みたいに見えますが、れっきとした夜の映像です。場所は自宅の庭。露光時間は400ms、ゲインは500。ASI294MCの最大ゲインは570なのですが、それに近いゲイン500でもノイズがこれまで使ってきたカメラよりも圧倒的に少ないです。アップロードのために解像度を1024x698に落としていますが、もとは4144x2822の超高解像度映像です。

何本か撮影したうちの一つですが、間も無く雲が多くなってきて撤収しました。とにかくASI294MCですが、凄いポテンシャルかと思います。早く晴れたににじっくり見たいです。

(このコンテンツは、ほしぞloveログのSamさんに許可を得てアップしています)

オリオン座を横切るふたご座流星群!

八ヶ岳の同じペンションでふたご座流星群を撮影されていた流星屋さんから画像をお預かりしたのでアップいたします。

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流星屋さんコメント:12月14/15日のふたご座流星群で流星狙いの3時間連続撮影を実施しました。 3時間弱で10000コマ超撮影しましたが、まだ2割しかチェックが済んでいません。その中で見栄えの良い(笑)ふたご座流星群の写真を送ります。

筆者はこの流星をちょうど眼視で見ていました。息をのむほど美しく綺麗な流星で、オリオン座を見事に横切った時には思わず声を上げて感動していました!

ふたご座流星群撮っちゃいました!

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昨晩、八ヶ岳山麓にあるペンションスターパーティーにて、ふたご座流星群を新製品の「SLIK ECH-630電動雲台」を使って撮影してみました。ご覧のようにもこもこの雲間からですが、綺麗な流星を捕らえることが出来ました!

・2017年12月14日 23時57分 ・Nikon14-24 f2.8G ・露出15秒 ・ISO1600

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赤道儀モードで簡単セッティングして、マイナス8度の寒空の下、乾電池4本でしっかり一晩中稼働してくれました。人間の方が厳しい耐寒訓練をしているようでした。

小さくてとても扱いやすい電動雲台なので、お手軽な星景撮影やタイムラプス撮影に活躍しそうです!

最新ZWO社ASI294MC-Proカメラ + 電視観望!

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先日、協栄産業大原天文台(大阪府能勢町)でお手軽快適な電視観望を楽しんで来ました。KYOEIマウナケアドーム4m内には口径30㎝のリッチークレチアン望遠鏡。それに最新の冷却タイプCMOSカメラを接続して、M42(オリオン大星雲)を試写しました。

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この日は薄~い雲が少し掛かっていて最良の星空状態ではありませんでしたが、それでも淡いガスの広がりがここまで写ってくれました。

・カメラ:ZWO社 ASI294MC-Pro (冷却モデル、サイズ:フォーサーズ、カラー)

・撮像:SharpCap(LiveStack撮影)露出12秒×25枚=300秒 ・冷却:-19.8度

・画像処理:StellaImage7 ダークフレーム減算無し

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もともとリードアウトノイズが少ないCMOSチップをさらに冷却することでノイズが劇的に低減することと、飽和電荷容量が大きいCMOSカメラなので、ダイナミックレンジが広がって、星雲の淡い構造まで綺麗に映し出すことができたのかも知れません!