ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

電視観望入門 part.1

楽しく快適に星雲星団を電視観望されている富山県Samさんのブログに分かりやすい入門記事がアップされていたので、許可をいただいてKYOEI星ブログに掲載いたします。

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先日の福島県星の村スターライトフェスティバルでもそうでしたが、電視観望が盛り上がりを見せているので、これから電視観望を始めたい人のために機材や説明などを簡単にまとめておきます。

電視観望は、高感度のCMOSカメラなどを使い、ライブビューで星雲や星団を見ることができます。特に星雲に色がついて見えるので、観望会などで披露すると大きなインパクトがあります。また、大人数でモニターを共有して見ることができるので、もうちょっと写野を動かしてみてとか、次はあの天体が見たいとか、ワイワイガヤガヤ話しながらさまざまな天体をみんなで楽しむことができます。特に天体望遠鏡を覗きなれていない初心者の方や子供たちそして年配の方々まで、リアルな宇宙を体感することが出来ます。

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電視観望システムの一例

1. 鏡筒
高価な鏡筒はあまり必要ありません。400mm以下の焦点距離の短いものがいいです。口径は大きい方がいいですが、意外にも60mmもあればなんとかなります。
ここで使っているもの:

  • タカハシFS-60CB:  焦点距離355mm、 口径60mm
  • iOptoron White Light Solar Scopeのフィルターがないもの: 焦点距離400mm、 口径80mm(安価だけど入手が難しいかも)
  • まだ試していませんが、iOptronの代わりに入手しやすいCelestronのTravel scopeの70mmが焦点距離が400mmと短くていいかもしれません。これだと1万数千円で入手できます。

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鮮明さや解像度は落ちるがアクロマートレンズでも十分

2. 赤道儀もしくは経緯台
自動導入が付いているものが望ましいです。自分で星雲など導入できる方は自動導入にこだわる必要はありませんが、できれば自動導入があった方が次々と天体を移動できるので圧倒的に楽しいです。
ここで使っているもの:

  • Celestron社のAdvanced VX: 高機能の割に安価です。電視には安定性、精度ともに十分です。
  • Celestron Nexster 4SEの架台部分: 架台だけ購入しようとすると難しいですが、中古などで安価に出ています。自動導入がある中では軽量で精度もそこそこあるので実用的です。経緯台でも後述のソフトが秀逸なので、少しの時間だけなら電視観望可能です。

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サイズの小さなCMOSチップに天体を導入するためには天体自動導入機能があると快適

3. CMOSカメラ
できるかぎり高感度のカメラがいいです。SONYセンサーを使っているものが感度がいいものが多いです。
ここで使っているもの:

  • ZWO社製 ASI224MC星雲星団用に感度のいいCMOSチップを使っています。
  • ZWO社製 ASI178MC: 224と比較すると若干感度は落ちますが、はるかに高解像度のCMOSチップを使用しているので、月など見る場合は最適です。

SONYの提唱するSNR1sという低照度での画像評価用の指標値が参考になり、他にもASI185MC、ASI290MCなどが候補になります。

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写真はASI178MC。ASI224MCも見た目は同じような構成です。

 

4. コンピューター
Windows7以降が走るもの。重要な点は上にあげたCMOSカメラがUSB3.0接続なので、USB3.0ポートを持っているコンピューターが必要です。USB3.0ケーブルはCMOSカメラに付属されているのでそれを使えばいいでしょう。

 

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