メーカーの謳い文句通りの星像のシャープさと周辺減光の少なさには驚きました。筆者が撮影した画像を以下に貼り付けていますのでご覧ください。すでに他のSNSでもたくさん情報公開されているように、極めて秀逸でスカッとする天体写真をしっかりとゲットできました。VSD70SS鏡筒は是非ともフルサイズセンサーのカメラで撮影してください。50万円の性能を気持ちよく快適に享受できます。
なおオートフォーカス機能を装備してフォーカス性能を上げることが、VSD70SS鏡筒の性能を余すところなく享受するための重要なファクターであると感じました。そうすればまさに鬼に金棒となります!
<撮影システム>
・Vixen社 VSD70SS鏡筒 ・ASI2400MC-Proフルサイズ冷却CMOSカメラ
・ASIAIR-mini ・EAF(電動フォーカサー) ・AM5N赤道儀 ・ZWO社30F4ガイド鏡
・ASI120MM-miniガイドカメラ ・フィルタドロワーM54Ⅱ *鏡筒以外はZWO社
<撮影情報>
露出時間:3分×1枚 Gain:158 冷却温度:-5度 ビニング:1×1
撮影日時:2024年10月30日21時 撮影地:埼玉県秩父市
周辺減光がこんなに小さいフラットフレームは、筆者のここ数年の経験でもなかなかお目にかかれないクオリティの高さでした。ケラレがなるべく出ないような接続リングの使用も、VSD70SS鏡筒には大切なポイントと言えます。
<むらちゃんOpinion>
アウトドアフィールドで実際にテスト撮影して感じた大きなポイントは、このVSD70SS鏡筒には正確無比なピント合わせが重要であることです。そのためにはZWO社EAF(電動フォーカサー)とZWO社ASIAIRとの組み合わせでオートフォーカス機能を活用することをお薦めします。その日その場所その時間で、最高のピント合わせが2分くらいでできるからです。オートフォーカスは、人間の情緒性を排除した胸のすくようなピントが得られます。人間生きているからには心臓がドクドクと動き、その振動が指先にも伝わるので、なかなかVSD70SSのレンズ精度に見合ったピントまで追い込むことは難しいですよね(笑) ちなみに電動フォーカサーの取付はとても簡単です。VSD70SS鏡筒の取付位置寸法が、ZWO社のFFシリーズ鏡筒と同じ規格で作られていました。これはありがたい!
<接続リング> 上の右写真を参照
左:K-ASTEC TR74-M60M/M56Fテーパーリング
中:K-ASTEC TR74SAP回転スケアリング調整プレート
右:K-ASTEC EX12.5延長リング