
太陽像の部分的ではなくて全体を写す
筆者はどうしても丸い太陽像全体を撮影したかったので、このASI183MCのCMOSカメラを選択しました。
・Sky-Watcher ヘリオスター76Hαの焦点距離は630mm。
・CMOSカメラでは直焦点撮影法で撮影するので、CMOSセンサー面に写る太陽像の直径サイズは6.3mm。
・この大きさをしっかりと受け止めることができる必要にして十分なCMOSカメラは、センサーサイズが13.2mm×8.8mmのASI183MCとなります。
フレーム転送速度 読み飛ばしてもOK
太陽を撮影するに際して重要な性能のひとつが、FPS(Frame per Second):1秒当たり撮影可能枚数です。ASI183MCはFPS=19フレーム(枚)。つまり1秒間あたり19フレーム撮影できる能力を持っています。
太陽撮影に際しては、なるべくこの数値を大きくできた方が有利になります。そこで解像度を5,496×3,672から3,000×3,000に小さく設定します。これは1フレームあたりのデータ量を減らして、データ転送速度を上げるためです。
<式>:6.3mm÷8.8mm×3,672ピクセル=2,628ピクセル≒3,000ピクセル
この設定により、筆者所有のノートパソコンではFPS=約23.5に上昇。その結果、露出時間をより短くすることができた。
<式>:通常は1,000ms÷19=露出時間52msを、1,000÷23.5=露出時間42msまで短縮
ピント位置


これは最初に太陽を写野中心に捕えるときに重要になってくる。
上写真くらいのドロチューブの繰り出し位置でピントが合います。恒星や星雲星団の撮影時と同じように、ピント位置が大きくズレていると明るい太陽なのに、パソコン画面に映る太陽像に気が付きにくい。周囲が太陽光で明るすぎて、パソコン画面が見づらいこともあります。なおセンサーサイズがある程度大きい方が太陽像を捕えやすいのもメリット。この写真を参考にピントを追い込んでください。

その他


左写真のようにカメラと望遠鏡を接続するとしっかり安定して取り付けることができます。太陽像の東西南北調整は、ソーラーダイアゴナルの回転もしくはシム(スペーサー)リングを使用して行ってください。
接続方法は右写真を参考にして下さい。つまり31.7mmノーズピースとアイピースアダプタは外して使いません。
*またAcuter Hα太陽望遠鏡フェニックスも同様に接続できます。なおその場合、カメラはZWO社製ASI585MCをお薦めします。

CMOSカメラのスペック表を見ると、その他にもフルウェル(飽和電荷量)やピクセルサイズなどいろいろな観点からの選択基準があります。
ここではあくまでも太陽像全体を撮影したいことと、太陽以外の星雲や銀河などの撮影に際して簡単にカラー画像を得たかったので、「ASI183MC」カラーCMOSカメラを選択しました。もしも本格的に太陽像を撮影したい場合は、モノクロCMOSカメラの「ASI183MM」をお薦めいたします。太陽望遠鏡はHα線のみの透過なのでモノクロの方がより高解像度になることと、画像処理は疑似カラー処理でそれなりにカラーっぽくできるからです。
ユーザーおよび望遠鏡の使用目的に合ったCMOSカメラを選択することで、より楽しく快適な天文ライフを過ごすことができると思います。

昼間にパソコン画面に映る生の太陽像をみんなで見られるのはおもしろい!

筆者コメント
太陽撮影を昨年秋から始めて感じていることは、星雲や銀河と較べて撮影チャンスが格段に多いことに今更ながら気が付きました。それは月齢に関係ないこと、昼間の活動として健康的にもよいことなどです(笑) 学校の天文部活動にも最適だと思います。
それから、太陽像はプロミネンスやプラージュやダークフィラメントなど、毎日その表情を変えてくれることも大きな魅力のひとつといえます! アイピースを使って目で見ても、もちろん感動する太陽像を観察することができます。