ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

超改造+超解像! CMOSカメラで楽しく星雲撮影

IC1805ハート星雲中心部

漆黒の無限の大宇宙に光るオアシスのような星雲IC1805とNGC2264。鳥取県在住の大切な星仲間F氏が撮影して送ってくれました。あまりにも素晴らしい画像なので、皆さまにもお裾分けいたします。

<F氏コメント>

ここ最近はセンササイズの小さいCMOSカメラと短焦点の光学系で星雲のクローズアップ撮影をしています。モノクロ惑星撮影用カメラASI678MMでナローバンド撮影にも挑戦してみました。ASI585MC Proも素晴らしい解像感です。これらASI678とASI585は4K解像度CMOSセンサを使用しています。
SONYがセキュリティカメラやドライブレコーダ向けに開発しているものを天体向けのCMOS我々アマチュア天体写真家は、防犯やドライブレコーダの急速な普及の恩恵を受けていることに間違いはありません。


<撮影データ>

IC1805ハート星雲中心部
 鏡筒:Takahashi ε-130D F3.3 f430mm
 カメラ:ZWO ASI678MM Gain182
 露出:180分(300秒 × 12枚 SII,Hα,OIIIとも) / フィルタ:ZWO Hα(7nm), SII(7nm), OIII(7nm) 
 画像処理 : PixInsight(ABE,BXT,SPCC,NXT), LuminarNeo

 

<撮影コメント>

IC1805 ハート星雲の中心部をクローズアップで撮影しました。
ε-130D f430mm、カメラはASI678MM ピクセルサイズ2μm 3840x2160、センササイズは7.7x4.3mmです。SAO(ハッブルパレット)ですが構造がよく分かるように色相をシフトしています。月齢10の月が明るく空を照らしていましたが、ナローバンドでの撮影ではさほど影響がありません。

EFW Mini(フィルタホイール)にASI678MMをねじ込み、EOSマウントで接続できるように改造

ASI678MMは惑星撮影用カメラでDSO撮影用のカメラとは鏡筒の接続部が異なります。
保有している鏡筒はすべてEOSマウントにしているためDSO撮影用カメラの取り付け部と同じになるように改造しています。EFW MiniにASI678MMをねじ込み、EOSマウントで取り付けできるようになっています。フランジバックはDSOカメラと同じになっています。

 

NGC2264 コーン星雲とキツネの毛皮星雲

<撮影データ>

NGC2264 コーン星雲とキツネの毛皮星雲
 鏡筒:Takahashi ε-130D F3.3 f430mm
 カメラ:ZWO ASI585MC Pro Gain252 -10℃冷却
 露出:90分 (300秒 × 18枚) / フィルタ:SIGHTRON QuadBP III
 画像処理 : PixInsight(ABE,BXT,SPCC,NXT), LuminarNeo

 

<撮影コメント>

NGC2264はいっかくじゅう座の星雲で人気がある被写体です。
Ε-130D f430mm、カメラはASI585MC Pro ピクセルサイズ2.9μm 3840x2160、センササイズ11.2x6.3mmです。サイトロン Quad BPフィルタIIIのおかげで細部までクッキリと浮かびあがっています。

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リアル電視観望講座を埼玉県飯能市で開催します! (11月23日)

電視観望システムを持ち込み、講座会場の駐車場で撮影の実践を行います。

都内から車で約1時間の埼玉県飯能市でリアル電視観望講座を開催いたします。Zoom講座ではありません。電視観望レクチャーの座学講座に加えて、講座会場の駐車場では電視観望の実践も行います。参加者の機材持ち込みも歓迎です。東京近郊で首都圏天文族にチャレンジしてみませんか!(内容レベル★★☆)

当日はご質問や解決したいことなどに、可能な限りご対応いたします。

◎なおスワロフスキー双眼鏡で星空ミニ観望会も実施します。(協賛:ハクバ写真)

 

<講座情報>

〇開催日時:2024年11月23日(土)勤労感謝の日 16時~20時 (雨天決行)

〇お申込み:たいら栗園 ℡042-978-0327(担当:廣田) 10時~16時30分(火曜定休)  

      ↓こちらのGoogle Formからも受付いたします  

      KYOEI リアル電視観望講座-埼玉県飯能市 参加申し込み

〇募集人数:10名さま (最少催行3名さま) 

〇参加費:5,000円 (当日の受付は15時30分から 現金をご用意ください)

〇講座会場:埼玉県飯能市井上54-2 アクセス地図はこちら

〇講座スケジュール 講師(KYOEIスタッフ 村上)

*16時00分-17時30分

  Ⅰ.電視観望についてのレクチャー

  Ⅱ.電視観望実践①(室内)

*17時30分-18時00分 休憩や軽食など

*18時00分-20時00分

  Ⅲ.電視観望実践②(屋外、駐車場)

   雨天曇天時は室内にてレクチャー

 

<その他>

・無料駐車場あります。・電車の場合、最寄り駅西武池袋線東吾野駅から徒歩15分。

・機材ご持参の方、電源は各自ご用意ください。

・軽食は各自ご用意ください。 (お茶や茶菓子のサービスございます)

左:講座会場の駐車場   右:講座会場写真

会場の無料駐車場は20台ほど駐車できる広さです。ここで電視観望を実践いたします。お持ち込みいただいた望遠鏡システムの撮影ブラッシュアップも試みます。また屋外トイレがあります。

講座会場もご覧のように広々としています。皆さまで情報交換できます。

昨年のクリスマス時期には、会場駐車場で星空観望会も開催しました

      ↓こちらのGoogle Formから受付いたします  

      KYOEI リアル電視観望講座-埼玉県飯能市 参加申し込み

ビクセンVSD70SS鏡筒はお値段以上⁉

ご覧のようなフルデジタル電視撮影システムでテスト撮影 by フルサイズCMOSカメラ。タブレット内の写真はこの実機で撮影したM33銀河。

メーカーの謳い文句通りの星像のシャープさと周辺減光の少なさには驚きました。筆者が撮影した画像を以下に貼り付けていますのでご覧ください。すでに他のSNSでもたくさん情報公開されているように、極めて秀逸でスカッとする天体写真をしっかりとゲットできました。VSD70SS鏡筒は是非ともフルサイズセンサーのカメラで撮影してください。50万円の性能を気持ちよく快適に享受できます。

なおオートフォーカス機能を装備してフォーカス性能を上げることが、VSD70SS鏡筒の性能を余すところなく享受するための重要なファクターであると感じました。そうすればまさに鬼に金棒となります!

<撮影システム>

Vixen社 VSD70SS鏡筒 ・ASI2400MC-Proフルサイズ冷却CMOSカメラ

ASIAIR-mini ・EAF(電動フォーカサー) ・AM5N赤道儀ZWO社30F4ガイド鏡

ASI120MM-miniガイドカメラ ・フィルタドロワーM54Ⅱ *鏡筒以外はZWO社

<撮影情報>

露出時間:3分×1枚 Gain:158 冷却温度:-5度 ビニング:1×1 

撮影日時:2024年10月30日21時 撮影地:埼玉県秩父市

ZWO社ASI2400MC-Pフルサイズ冷却CMOSカメラの撮ってだし画像(露出3分×1枚)
拡大率100パーセント画像(最左上)(最右上)
拡大率100パーセント画像(最左下)(最右下)

フラットフレーム画像(Gain=158、ビニング=1×1、冷却温度=-5度)

周辺減光がこんなに小さいフラットフレームは、筆者のここ数年の経験でもなかなかお目にかかれないクオリティの高さでした。ケラレがなるべく出ないような接続リングの使用も、VSD70SS鏡筒には大切なポイントと言えます。

左写真:フォーカス値は2.11と極めてシャープ 右写真:ZWO社EAFの取付は純正品みたい

<むらちゃんOpinion>

アウトドアフィールドで実際にテスト撮影して感じた大きなポイントは、このVSD70SS鏡筒には正確無比なピント合わせが重要であることです。そのためにはZWO社EAF(電動フォーカサー)ZWO社ASIAIRとの組み合わせでオートフォーカス機能を活用することをお薦めします。その日その場所その時間で、最高のピント合わせが2分くらいでできるからです。オートフォーカスは、人間の情緒性を排除した胸のすくようなピントが得られます。人間生きているからには心臓がドクドクと動き、その振動が指先にも伝わるので、なかなかVSD70SSのレンズ精度に見合ったピントまで追い込むことは難しいですよね(笑) ちなみに電動フォーカサーの取付はとても簡単です。VSD70SS鏡筒の取付位置寸法が、ZWO社のFFシリーズ鏡筒と同じ規格で作られていました。これはありがたい!

VSD70SS鏡筒とCMOSカメラの接続リング(現時点での最もケラレのない方法)

<接続リング> 上の右写真を参照

左:K-ASTEC TR74-M60M/M56Fテーパーリング

中:K-ASTEC TR74SAP回転スケアリング調整プレート

右:K-ASTEC EX12.5延長リング

VSD70SS鏡筒とフルサイズカメラとの組合せは、こんなに広い写野が楽しめる。ハート星雲と胎児星雲の両方が同一視野に。網状星雲だってこんなに余裕が!
撮影時は残念ながらすこーし薄雲越しで、露がたくさん降りている環境でした。

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東亜天文学会 東京年会でスマート望遠鏡!

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2024年11月3日の文化の日に、東京未来大学の素敵な会場で、主催者様からのご依頼により「スマート望遠鏡」についての発表をいたしました。いま話題のトレンディーなコンテンツのおかげで皆さまからの反応もよく、大きな笑いも取れました(^^)


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今回は新しい学会を目指して、年会も数々の新しい発表コンテンツで構成された興味深い内容にイノベーション! とても楽しくそしてためになる、あっという間の2日間でした。

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特別講演では、なんとノーベル物理学賞受賞者梶田先生から重力波天文学の講義をありがたく聴くことができました。先生は柔らかい物腰で優しく丁寧にお話しされ、筆者も少ーしですが理解できたような気持ちになりました😃


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会場はご覧のように立派な設備が整った講義室で、学生さんの姿も見られました。

まだまだ立派な紫金山アトラス彗星☄️

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これは10月30日19時の紫金山アトラス彗星の勇姿です。こんなに立派なテイルをなびかせた様子をまだまだ撮影することができました。撮影地は埼玉県秩父市です。写真は一緒に電視観望った星仲間D氏からお借りしました。

<撮影情報>

・カメラ:ASI2600MC-P 露出時間:30秒×6枚=3分

・鏡筒:Askar FRA600 ・制御:ASIAIR ・画像処理無し

筆者は彗星はもう写らないだろうと思い込んでいて、その時間は他の散光星雲をガイド撮影中で見過ごしてしまいました(^^)


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左写真:ZWO社のASIAIRで撮影中のタブレット画面のスクショです。現場でリアルにこの彗星像が見られたので驚きました🫢

右写真:アストロアーツ社のiステラで撮影時のシミュレーション画像。彗星高度が高くなり西空が開けていれば、以前よりも撮影チャンスがアップしています。

10月30日19時時点の地球から彗星までの距離=0.92天文単位(1億3800万km)、高度19度、実視等級6.2等。

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紫金山アトラス彗星を雄大な組み写真で by SeestarS50

10月17日撮影 露出時間は基本3分、ダストの尾は低空スタックのため1~2分。
撮影場所:青森県上北郡東北町

<筆者コメント>

筆者の大切な星のソムリエ仲間である、青森県のK氏が撮影および画像編集した紫金山アトラス彗星写真をお借りしました。この写真を見せてもらった瞬間、筆者は乾板写真をつなげた昔懐かしい天体組み写真を一生懸命見ていた頃の記憶がよみがえりました。これを最新スマート望遠鏡SeeStarS50で撮影した画像で編集されたところに感動しました。(簡単な画像処理ソフトPaintShop Proを使用して組み写真に編集されたそうです。このアイデアにやられたと思いました。)

<K氏コメント>

アンチテイルが明るく写るということで、構図をズラしながらZWO社SeeStarS50スマート望遠鏡で撮影した複数の画像を、画像編集ソフトで単純に重ね合わせしました。恒星がきれいに重なるよう、画像の回転を行ってます。撮影は、まず彗星頭部を基準にして撮影し、その画像から伸びている尾を確認し、撮影画面上で構図をズラして尾の撮影をする、を繰り返しました。

10月20日撮影 露出時間:頭部は4分、尾は2分のスタック 撮影場所:同上

<K氏コメント>

これまでの赤道儀では、組立てて、バランス調整や極軸調整をし、天体に望遠鏡やカメラを向けてようやく撮影できるのですが、準備に時間と手間がかかります。それに比べて Seestar S50 は、思い立ったら設置して、すぐに撮影できます。この魅力はとても大きいです。特に紫金山・アトラス彗星は、日の出前の低空や、日没後の低空など、とても短い時間との勝負が大きなポイントでした。

撮影時の風景

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新発売!Hα太陽望遠鏡+CMOSカメラってめちゃ楽しい1☀️

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プロミネンス、ダークフィラメント、プラージュ、粒状斑、彩層、黒点などの様子がお手軽に観察できました! (撮影:2024年9月7日12時)

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(記事は9月12日現在)

発売直前のHα太陽望遠鏡フェニックスZWO社ASI585MC非冷却CMOSカメラを接続して、初めて太陽を撮影してみました。「ええっー、こんなに簡単に、しかも高精細な太陽像が撮れるのぉ!」っていうのが、筆者の正直な感想です☺️ 数年前にも別機種の望遠鏡とカメラでトライしたことはあるのですが、その時は思うように撮影することはできませんでした。今回は新しい機種を使うことによって、技術や性能の進歩とは凄いものだと感心しました(^^)


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ご覧のように車のテールゲートを開けたところにパソコンを置いて、USBケーブルで接続されたCMOSカメラをHα太陽望遠鏡の接眼部に取り付けただけの、いたって簡単な電視観望システムです。赤道儀ZWO社 AM5Nを使用。撮影もZWO社から提供されているフリーソフトASIStudioを使いました。

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例えば既にCMOSカメラを持っている方ならば、どなたでも簡単にすぐにこのような太陽像を撮影することができることになります。

後日、もう少し詳しい情報をお伝えしますね🔭

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