ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

RedCat51で春の系外銀河を撮影してみました!

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口径51㎜ 焦点距離250㎜ 質量1.47kgは小型軽量で持ち運びに便利

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ウィリアムオプティック社のRedCat51で銀河を撮影してみたくて、3月中旬に千葉県南房総市へ出掛けてきました。RedCat51は手のひらサイズで小さいので、ご覧のような軽量撮影システムで快適に春の系外銀河を撮影することができました! 当日は春の嵐そしてシンチレーションが悪い大気の状態ながら、ここまで写すことが出来たのは驚きでした。

しし座の三つ子銀河:上写真(ノートリミング画像 4138×2816≒1200万画素、下写真(ピクセル等倍画像 1500×1020≒150万画素 *拡大して見て下さい!)

マルカリアンチェーン(銀河鎖):ノートリミング画像 4138×2816≒1200万画素

撮影システム

RedCat51 + ASI294MC-Pro + ASI174MM mini + ASIAIR + iOptron iEQ30赤道儀

露出時間 3分×14枚コンポジット レベル補正 トーンカーブ補正 デジタル現像 StellaImage8にて簡易画像処理

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同夜にM87を中心にしてマルカリアンチェーン(銀河鎖)も撮影

上のマルカリアンチェーン(銀河鎖)写真内には、なんと18等星クラスの銀河まで写っている! オーマイガァー!!

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撮影中のスマホ画面 (ASIAIRをiPhoneで撮影およびオートガイドをコントロール)

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背景の口径20㎝のRASA8鏡筒や口径72㎜の屈折望遠鏡と比較しても、RedCat51は圧倒的に小さいのがよく分かると思います。また鏡筒の蓋についているバーティノフマスクも使いやすくてピント調整がとても楽でした。

小型軽量高性能なRedCat51は、これからの時代を見据えた新しいタイプの望遠鏡であると感じました。

ASIAIRが一眼レフカメラに対応しました!

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一眼レフカメラとASIAIRとの接続は、市販のカメラメーカー純正PCケーブルでOK!

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一眼レフ側でM(マニュアル)モード、露出はバルブに設定する

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1.ASIAIRアプリの最新版(バージョン2.14)をネットからダウンロード。

2.一眼レフカメラとASIAIRを市販のカメラメーカー純正パソコン接続ケーブルで接続。

3.ASIAIRアプリを起動すると、メインカメラ欄に接続したカメラ機種名が表示。

4.Enterをクリックするだけで、ASIAIRのメイン画面が表示。

5.これでスマホやタブレットから一眼レフカメラでの撮影をコントロール可能に!

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カメラと接続すると、カメラ側の初期設定として必要な内容が表示される

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ASIAIRアプリからカメラのISO感度の設定や撮影データの保存場所も設定可能

6.CMOSカメラを接続したときと同じようにフォーカスモードやプレビューモードや撮影スケジュールなどを簡単に実行できる。

7.その他にASIAIRと対応赤道儀を接続し、ZWO社製CMOSカメラをオートガイド用に接続すれば、すべてWifi制御になりちょー快適な天体撮影システムになります。

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上の上写真:フォーカスモード  上の下写真:プレビューモード

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これが対応カメラ機種の一覧表です。

*オレンジ色のカメラ機種は露出時間が最長30秒まで(カメラがバルブモードをサポートしていないため)

馬頭星雲と燃える木星雲を秋葉原で撮っちゃいました!

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視界も狭く北極星が全く見えないKYOEI東京店の3階のベランダ(写真中央のビル)からオリオン座の馬頭星雲と燃える木星雲を撮影してみました。上の画像はASIAIRのスクリーンショットです。CMOSカメラASI294MC-Pro+アイダスNB1フィルター+口径72mm望遠鏡で試してみました。露出3分の1枚画像でレベル補正しただけの撮りっぱなしです。当日はシリウスやリゲルがぎらぎらとめちゃくちゃ瞬く夜空でオートガイドも安定しませんでした。

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赤道儀の極軸を合わせていない状態でも、馬頭星雲(IC434)を自動導入指示したのち、すぐにプレートソルビング機能を使って写野の中心に捕らえることが出来ました。位置解析時間もわずか1.9秒。これはとても便利な機能ですね😆

それにしても街灯の明かりに満ち溢れた秋葉原でも、ちゃんと1,500光年彼方の馬頭星雲の光が届いていることに感動しました❗️

メデューサ星雲をIDAS製NB1フィルターで撮ってみました!

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メデューサ星雲:視等級15.99等星 視直径4光年 距離1500光年

メデューサ星雲はMやNGCやICにも登録がなく、Sh2-274が天体カタログ番号になります。どーやって導入したのかというと、ASIAIRを使ってそのターゲット天体位置項目にメデューサ星雲の赤経赤緯値を直接入力しただけです。こんなに暗い惑星状星雲を簡単に写野に導入できるのはストレスフリーといえます!

撮影システムIDAS NB1フィルターASIAIRASI294MC-P+iOptron Versa108ED鏡筒(口径:108mm F6)+iOptron iEQ30Pro赤道儀

撮影情報:露出時間3分×20枚コンポジット=60分 冷却温度マイナス20℃ (StellaImage7にてダークフレーム減算、トーンカーブ調整、レベル補正、その他簡単な画像処理) 撮影地:長野県野辺山

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これは撮影中のASIAIRアプリ(スマホ)のスクリーンショット画面です。ご覧のようにアプリ上で簡易的なスクリーンストレッチ=レベル補正をするだけで撮影対象物をしっかりと確認することが出来ます。とても便利で快適です!

 

筆者いいわけ:

上のスクリーンショット画面の左上に表示されているオートガイドの赤経赤緯の波形を見ていただくと分かるのですが、撮影時はシンチレーションが荒れまくりでガイドが安定していません。春になって大気が落ち着いたらまたチャレンジしてみようと思います(笑) でもメデューサ星雲がこんなに簡単に撮影できるなんてちょっと感激です!

IDAS NB1 フィルターっておもしろい!

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いっかくじゅう座の「バラ星雲」 特殊なフィルターなのに簡単な画像処理でOK!

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IDAS製 NB1フィルター

新発売のIDAS NB1(ネビュラーブースター1)を使って輝線星雲のバラ星雲を撮影してみました。カラーバランスはさほど崩れることもなく、画像処理も簡単に施すことが出来ました。これはおススメのフィルターの1枚です!

このフィルターは星雲の主要4輝線であるHα、Hβ、OⅢ、SⅡ付近の波長域のみを透過させるナローバンド干渉フィルターです。カラーCMOSカメラとの相性も良くて、1ショットでカラー画像撮影が可能です。

撮影システム:IDAS NB1 フィルター + ASIAIR + ASI294MC-P + iOptron Versa108ED鏡筒(口径:108mm F6) + iOptron iEQ30Pro赤道儀

撮影情報:露出時間 3分×10枚コンポジット=30分 冷却温度マイナス20℃ (StellaImage7にてダークフレーム減算、トーンカーブ調整、レベル補正、その他簡単な画像処理) 撮影地:長野県野辺山

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1枚画像(ディベイヤー処理、トーンカーブ調整、レベル補正だけ)

上の画像は、たった3分露出の1枚画像です。画像処理も基本中の基本処理しかしていません。ご覧のようにこんなに写っているのです。凄くないですかぁ。。。  ちなみにASIAIRからWiFiでスマホに送られてくるリアルタイム画像が下のスクショ画像になります。つまり撮影中でも撮影画像を確認できるので安心かつ快適な撮影スタイルですね。

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撮影中のスクショ画像:この場合、3分ごとのリアルタイム画像を手元で確認OK

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筆者つぶやき:

このバラ星雲は2月6日に撮影したのですが、冬の時季の野辺山は八ヶ岳を越えてくる山岳乱気流により最悪のシンチレーションに見舞われた環境でした。おかげでオートガイダーをちゃんと実行させるのが一苦労でした。なので画像が全体的にちょっと眠い感じがしますがご愛敬ということで。。。

Quad BP フィルターでモンキー星雲を撮ってみました!

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モンキー星雲:オリオン座とふたご座の間に位置する6,400光年彼方の輝線星雲

新発売のQuad BP Filter(クワット バンド パス フィルター)を冷却CMOSカメラに装着してテスト撮影してみました。この干渉フィルターの特性は、星雲の主要な4輝線であるHα、Hβ、OⅢ、SⅡ付近の波長域のみを透過させます。

撮影システム:Quad BP Filter + ASIAIR + ASI294MC-P + Sky-Watcher EVOSTAR 72ED + iOptron CEM25

撮影情報:3分×8枚コンポジット 冷却温度マイナス20℃ (StellaImage7にてダークフレーム減算、トーンカーブ、レベル補正、その他簡単な画像処理) 撮影地:飯能市

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Quad BP Filterは主要な4輝線付近以外をカットするので、強力な公害カット効果が得られる

モンキー星雲は思っていた以上によく写り、またこのフィルターはCMOSカメラの感度特性との相性もよいのか、通常通りの簡単な画像処理で写真を仕上げることが出来ました。都市部や公害地での撮影におススメのフィルターだと思います。

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撮影した時の望遠鏡システム...スマホを使ってASIAIRで集中管理できるので便利

筆者つぶやき:大気の状態がとても悪い1月27日夜に撮影しました。飯能市といえども、天頂付近から東側は東京方面なので星空は壊滅状態 。そして冬季の気流の乱れが激しくて、オートガイドもなんとかという撮影環境でした(写真の恒星が横に伸びているのはお許しくださいませ)。ちなみに同じ鏡筒に一眼デジカメでフィルター無だと、ISO6400で露出10秒でも撮影画像は白っぽくなってしまいました。