星空を街灯の明かりが少し邪魔をする埼玉県秩父市でこのハート星雲を撮影して来ました。埼玉県のような東京近郊で撮影するスタイルを「首都圏天文族」と名付けてみました(笑) 関西であれば「京阪神天文族」といったところでしょうか!
このハート星雲画像は小さな口径65mmの天体望遠鏡、そして冷却モノクロCMOSカメラに、HαとO3とS2の各ナローバンドフィルターを掛けて撮影した画像を、SAO合成+AOO合成して画像処理しました。
撮影システム
望遠鏡:ZWO社FF65-APO鏡筒 + 専用レデューサー
カメラ:ZWO社ASI294MM-PRO(冷却モノクロCMOSカメラ)
制御:ZWO社ASIAIR-mini フォーカサー:ZWO社EAF電動フォーカサー
フィルタ:ZWO社ナローバンド(7nm)1.25"フィルター(Hα/S2/O3 3枚セット)
オートガイド:ZWO社オフアキシスガイダー + ZWO社ASI120MM-mini
各フィルター露出時間:Hα画像=3分×20枚 O3画像=3分×28枚 S2画像=3分×30枚
総露出時間=234分=約4時間
撮影&画像処理方法
撮影を開始して1時間ほどは月齢5の月明かりが煌々と望遠鏡を照らしていました(笑)風が時折強く吹き付けるので、車を風よけにそして三脚を低くして撮影しました。
1.CMOSセンサーをマイナス15度に冷却。ASIAIRの「PA」モードで極軸をさくっと合わせる。同じくASIAIRの「フォーカス」モード+電動フォーカサーの組み合わせで、オートフォーカス機能を使って快適にピントを合わせる。
2.ASIAIRでオートガイドのキャリブレーションを実施して、オートガイドを開始。
3.ASIAIRの「Autorun」モードで撮影パラメータを設定する。
4.Hα画像、O3画像、S2画像を合わせて全部で78枚撮影する。(O3画像やS2画像の撮影枚数が多いのは、それらの波長域のデータが少ないと判断したから)
5.天体画像処理ソフトStellaImage9にてSAO合成およびAOO合成。それら合成画像をコンポジットして、このブログ最上段のハート星雲画像に。レベル補正やトーンカーブ補正やデジタル現像処理など。
筆者の個人的感想
街灯の明かりがある首都圏や京阪神でも、透過波長域の狭いナローバンド系フィルターを使っての天体撮影ならば、驚くほど嬉しい結果をもたらしてくれます(笑) これからは電視観望ならぬ電視撮影スタイルで、無理して遠征しなくても期待値以上の満足感が得られるのではないでしょうか!