ネイチャーショップKYOEI東京店 星ブログ

新製品情報はもちろん、機材のテクニカルガイドや、webショップには掲載できないブログだけの限定情報など、裏表織り交ぜてぶっちゃけます!

馬頭星雲と燃える木星雲を秋葉原で撮っちゃいました!

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視界も狭く北極星が全く見えないKYOEI東京店の3階のベランダ(写真中央のビル)からオリオン座の馬頭星雲と燃える木星雲を撮影してみました。上の画像はASIAIRのスクリーンショットです。CMOSカメラASI294MC-Pro+アイダスNB1フィルター+口径72mm望遠鏡で試してみました。露出3分の1枚画像でレベル補正しただけの撮りっぱなしです。当日はシリウスやリゲルがぎらぎらとめちゃくちゃ瞬く夜空でオートガイドも安定しませんでした。

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赤道儀の極軸を合わせていない状態でも、馬頭星雲(IC434)を自動導入指示したのち、すぐにプレートソルビング機能を使って写野の中心に捕らえることが出来ました。位置解析時間もわずか1.9秒。これはとても便利な機能ですね😆

それにしても街灯の明かりに満ち溢れた秋葉原でも、ちゃんと1,500光年彼方の馬頭星雲の光が届いていることに感動しました❗️

メデューサ星雲をIDAS製NB1フィルターで撮ってみました!

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メデューサ星雲:視等級15.99等星 視直径4光年 距離1500光年

メデューサ星雲はMやNGCやICにも登録がなく、Sh2-274が天体カタログ番号になります。どーやって導入したのかというと、ASIAIRを使ってそのターゲット天体位置項目にメデューサ星雲の赤経赤緯値を直接入力しただけです。こんなに暗い惑星状星雲を簡単に写野に導入できるのはストレスフリーといえます!

撮影システムIDAS NB1フィルターASIAIRASI294MC-P+iOptron Versa108ED鏡筒(口径:108mm F6)+iOptron iEQ30Pro赤道儀

撮影情報:露出時間3分×20枚コンポジット=60分 冷却温度マイナス20℃ (StellaImage7にてダークフレーム減算、トーンカーブ調整、レベル補正、その他簡単な画像処理) 撮影地:長野県野辺山

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これは撮影中のASIAIRアプリ(スマホ)のスクリーンショット画面です。ご覧のようにアプリ上で簡易的なスクリーンストレッチ=レベル補正をするだけで撮影対象物をしっかりと確認することが出来ます。とても便利で快適です!

 

筆者いいわけ:

上のスクリーンショット画面の左上に表示されているオートガイドの赤経赤緯の波形を見ていただくと分かるのですが、撮影時はシンチレーションが荒れまくりでガイドが安定していません。春になって大気が落ち着いたらまたチャレンジしてみようと思います(笑) でもメデューサ星雲がこんなに簡単に撮影できるなんてちょっと感激です!

IDAS NB1 フィルターっておもしろい!

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いっかくじゅう座の「バラ星雲」 特殊なフィルターなのに簡単な画像処理でOK!

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IDAS製 NB1フィルター

新発売のIDAS NB1(ネビュラーブースター1)を使って輝線星雲のバラ星雲を撮影してみました。カラーバランスはさほど崩れることもなく、画像処理も簡単に施すことが出来ました。これはおススメのフィルターの1枚です!

このフィルターは星雲の主要4輝線であるHα、Hβ、OⅢ、SⅡ付近の波長域のみを透過させるナローバンド干渉フィルターです。カラーCMOSカメラとの相性も良くて、1ショットでカラー画像撮影が可能です。

撮影システム:IDAS NB1 フィルター + ASIAIR + ASI294MC-P + iOptron Versa108ED鏡筒(口径:108mm F6) + iOptron iEQ30Pro赤道儀

撮影情報:露出時間 3分×10枚コンポジット=30分 冷却温度マイナス20℃ (StellaImage7にてダークフレーム減算、トーンカーブ調整、レベル補正、その他簡単な画像処理) 撮影地:長野県野辺山

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1枚画像(ディベイヤー処理、トーンカーブ調整、レベル補正だけ)

上の画像は、たった3分露出の1枚画像です。画像処理も基本中の基本処理しかしていません。ご覧のようにこんなに写っているのです。凄くないですかぁ。。。  ちなみにASIAIRからWiFiでスマホに送られてくるリアルタイム画像が下のスクショ画像になります。つまり撮影中でも撮影画像を確認できるので安心かつ快適な撮影スタイルですね。

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撮影中のスクショ画像:この場合、3分ごとのリアルタイム画像を手元で確認OK

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筆者つぶやき:

このバラ星雲は2月6日に撮影したのですが、冬の時季の野辺山は八ヶ岳を越えてくる山岳乱気流により最悪のシンチレーションに見舞われた環境でした。おかげでオートガイダーをちゃんと実行させるのが一苦労でした。なので画像が全体的にちょっと眠い感じがしますがご愛敬ということで。。。

Quad BP フィルターでモンキー星雲を撮ってみました!

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モンキー星雲:オリオン座とふたご座の間に位置する6,400光年彼方の輝線星雲

新発売のQuad BP Filter(クワット バンド パス フィルター)を冷却CMOSカメラに装着してテスト撮影してみました。この干渉フィルターの特性は、星雲の主要な4輝線であるHα、Hβ、OⅢ、SⅡ付近の波長域のみを透過させます。

撮影システム:Quad BP Filter + ASIAIR + ASI294MC-P + Sky-Watcher EVOSTAR 72ED + iOptron CEM25

撮影情報:3分×8枚コンポジット 冷却温度マイナス20℃ (StellaImage7にてダークフレーム減算、トーンカーブ、レベル補正、その他簡単な画像処理) 撮影地:飯能市

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Quad BP Filterは主要な4輝線付近以外をカットするので、強力な公害カット効果が得られる

モンキー星雲は思っていた以上によく写り、またこのフィルターはCMOSカメラの感度特性との相性もよいのか、通常通りの簡単な画像処理で写真を仕上げることが出来ました。都市部や公害地での撮影におススメのフィルターだと思います。

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撮影した時の望遠鏡システム...スマホを使ってASIAIRで集中管理できるので便利

筆者つぶやき:大気の状態がとても悪い1月27日夜に撮影しました。飯能市といえども、天頂付近から東側は東京方面なので星空は壊滅状態 。そして冬季の気流の乱れが激しくて、オートガイドもなんとかという撮影環境でした(写真の恒星が横に伸びているのはお許しくださいませ)。ちなみに同じ鏡筒に一眼デジカメでフィルター無だと、ISO6400で露出10秒でも撮影画像は白っぽくなってしまいました。

スマホ+ASIAIR+タカハシEM11(Temma2Z)で撮影!

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東京都千代田区神田にあるKYOEI東京店オフィスのベランダから球状星団を撮影!

タカハシ赤道儀EM11でベランダ天文族をやってみました。KYOEI東京店ベランダからは、北極星が全く見えない、星空の空間が狭い、ビルやコンビニの街灯が凄まじいなど天体撮影には適していませんが、ASIAIRのPlate Solving(天体位置解析)機能をテストしてみたくてチャレンジしました!

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1.赤道儀の極軸を北極星の方向に目見当で合わせておきます。

2.ベランダから唯一見えた火星に望遠鏡を手動で向けて、スマホアプリのSkySafariでAlign(同期)をします。

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3.ASIAIRアプリに切り替えて、ここでは球状星団メシエ15を導入します。

4.赤道儀の導入駆動が終わったら、ASIAIRで1枚撮影(2秒露出&ビニング)してPlate Solvingアイコンをタップします。

5.すると撮影画像から3秒ほどで天体位置解析が行われて、画像写野の中心座標値が算出されます。Sync Mountをタップすると、その座標値が現在座標値(赤経赤緯)に取り込まれるので、メシエ15(ターゲット座標値)へ再び導入操作します。

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露出5秒のメシエ15(球状星団)…撮影したままの生スマホ画面のスクショ

このように写野の中心に撮影したい天体をかんたんに導入できました! タカハシ赤道儀(Temma2Z)で天体自動導入とPlate Solving(天体位置解析)をスマホWiFiでコントロールできる快適さには驚きました。。

スマホでタカハシFG-Temma2Zの天体自動導入できました!

ZWO社ASIAIRのソフトウェアバージョンが更新されて、ついにタカハシFG-Temma2ZならびにTemma2(Z)をコントロールできるようになりました。天体の自動導入がスマホのWifiで快適にできるのです。(ムービー収録:1分37秒)

システム構成タカハシFG-Temma2(Z) + ZWO社ASIAIR + ASIAIRアプリ + (SkySafari) + タカハシRS232Cケーブル

+ ZWO社CMOSカメラ(どの機種でもOK。ASIAIRアプリを起動するために必要。)

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パソコン無しでスマホWifiからTemma2(Z)が制御できるのは楽しい!

ASIAIR経由でオートガイドもしっかりと機能しました。そしてASIAIRと接続できるということは、Plate Solving(天体位置解析)もできるはずです。近々にテストしてみます。

=>Plate Solving(天体位置解析)も出来ました。千代田区神田にある協栄のオフィスのベランダからばっちり撮影対象天体を導入できました! 導入精度も文句なしです!

撮影協力:スターベース

 

2,000万画素のASI183MC-Pでかに星雲を撮影しました!

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M1(かに星雲)…小口径望遠鏡でもここまで高解像度で撮影!(ピクセル等倍)

先日、東京から車で2時間ほどの八ヶ岳へ出掛けて、新製品ASI183MC-Pでテスト撮影してきました。

撮影システム:ZWO社 ASI183MC-P + ASIAIR + ASI120MMmini(オートガイド) + IR-CUTフィルター + ビクセンFL55SS + iOptron CEM25

撮影データ:3分×7枚 冷却温度-10℃ ダーク補正などStellaImage7にて簡易画像処理

 

ASIAIRにCMOSカメラ、オートガイドカメラおよび赤道儀を接続して、スマホから天体自動導入、プレートソルビング(位置解析補正)および天体撮影まですべてをコントロールして、暖かい車中から撮影しました。Wi-Fiの制御は快適そのものです!

口径55mmの小口径天体望遠鏡+ピクセルサイズ2.4μmの高解像度CMOSカメラで、かに星雲のフィラメント構造がここまで写るとは驚きました。

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撮影システム…ASIAIRからのWi-Fi電波は10m離れていてもスマホでキャッチ!

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ノートリミング画像…ASI183MC-P(5490×3666) + 焦点距離315mm

筆者の感想:ASI183MC-Pはピクセルサイズが2.4μm×2.4μmと小さいので解像度があがり、望遠鏡を大きくしたのと同じ効果が得られるように感じました。望遠鏡システムが小さくなるということは大気や風の影響も受けにくくなるとともに、なによりも撮影のための移動が楽になります。 だからまた撮影したくなります!

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©国立天文台 口径50cm望遠鏡で撮影

無謀ではありますが、国立天文台で20年ほど前に撮影された口径50cmでのかに星雲の画像と、筆者が撮影した口径約5cmのFL55SS望遠鏡の画像を比較しても、まんざらではないなぁと勝手に思っています(笑) 時間をかけてもっと真面目に撮影すればどこまで肉薄できるか楽しみです!