KYOEIに待ちに待ったストレイン・ウェーブ・ギア(波動歯車装置)赤道儀のサンプル機がやってきたので簡単にご紹介します。このAM5赤道儀の細かなスペックは当社のホームページをご覧いただくとして、ここでは筆者が実際にテスト的に使ってみて率直に感じたことを列挙いたします。


〇「バランスウェイト無しがいい感じ!」・・・ちょっと不安、いやかなり不安だったバランスウェイト無しでほんとに駆動や追尾は大丈夫なんだろうかという気持ちはすでに払拭されました。この筆者のような考え方こそが赤道儀のイノベーションを妨げていた要因だったかもしれません。バランスウェイトが無いことによる効果の方が絶大です。例えば観測で車に積載する時も小さくて軽いケースでOKなので、ポータビリティ性がぐっとよくなります。どちらかというと、今までの癖でバランスウェイトやバランスシャフトを忘れて出掛けたみたいな気持ちになりました(笑)
〇「望遠鏡とのバランスは適当でOK!」・・・バランスウェイトが無いので赤経軸のバランスは取りようがない(13kgまで)のですが、赤緯軸に対してのバランスも大きく崩れていなければ、だいたい目見当での調整で望遠鏡を搭載しておけばOKでした。しかも万が一突然電源が落ちても赤経側にはブレーキ機能搭載、赤緯側も人間の力では回すことが出来ないくらいの力で止められているので、不用意に鏡筒が回転したり落下することはありませんでした。(*実はそれでも不安だったのでZWO社の技術スタッフにも確認しました。)これにより望遠鏡を組上げる時間がかなり削減されて助かりました。また冬の寒い時季など手袋をはめて行う苦行のバランス調整から解放されるのはなんともありがたいと感じました。
〇「駆動早く、動作音極めて静か!」・・・こんなに静かすぎていいんだろうかっていうのが筆者の感想です。天体自動導入指示を出して、AM5赤道儀を見ていないと駆動したかどうかが分からないほどです。しかも対恒星時1440倍速なので、離れた天体でもあっという間に導入完了です。
これからの新しい電視観望スタイルを提案してくれたAM5赤道儀をもっと使い込んでいくことで、天文ライフにおいて新たな発見が得られるのではないかと楽しみに感じています!